やっと8/29の旅日記・その1 [旅行記]
さて、ついに本番当日の朝!!
いつもならば(日本ならば)、小屋に入る前日までびっちり稽古し、
小屋に入れば、きっかけ合わせ→ゲネプロと、
作品の世界観から離れることはないわけです。
しかし、ここは済州島。
27日の朝に、皆で「台詞合わせ」を一回やっただけ。
カルチャーショックな日々に、作品からはすっかり離れておりました。
昨晩、民樹と京枝が「済州島弁の台詞を確認」してたのは記憶にあります。
(私は寝ました…)
もちろん、台本は持って行ってたけど、読む暇なし。
私はまぁ、ほとんど日本語なんで良いんですが…
(あ、自己責任において良い、という意味です。)
柴ちゃんやジャッコの台詞は、作品の冒頭で「韓国語」。しかも済州島訛り。
緊張しないわけがない。
私個人としては、舞台の裏側までブログに書くのは、
何だか「お客様」に対して失礼な気がして、気がひけるのですが、
今回は旅行記の一端として、書こうと思います。
こいつは舞台の裏側で、こんなこと思っとるんだな、ぐらいでお楽しみ下さい。
29日の朝も、いつも通りにがっちり朝ご飯。
今日の食事当番は、チャガルチ。
「俺は韓国で一番酒に強いんだ!」と豪語するトッちゃんが、一人で朝ご飯を作ってくれている。
どっちかというと、昨晩、散々飲んでいたトッちゃんが、ちゃんと起きていることに感動。
「今日は航路の本番だ!お前たち頑張れよ!」という熱い思いが、彼を動かしているらしい。
すんごいありがたいのだが、毎朝食パン一枚と玉子ぐらいしか食べない私には多い。
(朝からキムチポッカ・白ご飯・赤いスープ、とかなり刺激的…。)
まして4日目。
皆、無表情でご飯を食べている。
韓国の人は、がっちり&きっちりご飯を食べる。
「ご飯を食べないと、パワーが出ない」と思っている。
本番前に、緊張でご飯が食べられない、とか全く理解されなさそう。
金君が済州島へ行ったら、カツオのように耳を引っ張られ、食卓に付かされるであろう。
ガツガツ食べない我々を見て、トッちゃんは悲しそう。
ごめんよ。これが異文化さ。ごちそうさま。
ワゴンで会場へ移動。
のんびりと仕込が始まる。
10:30集合なのだが…、
照明を担当してくれるはずのチャンフニさん(ハルラサンの役者さん)が来ていない。
が、それを見越して、いつもハルラサンの照明を担当しているおじさんが来て下さり、
ちゃっちゃと仕事を進めている。
字幕用の映写機もまだ到着していない。
金君が作ってくれた幕を吊って、字幕の位置を決めて、照明を調整して、
舞台が空いたらちょっとぐらい返し稽古できるかな~・・・なんて期待は外れ、全てが当日合わせ。
普段のMayではアリエマセン。
でも、こっちからスタッフを連れて行ってるわけでもないし。
イライラしても仕方ない。
照明でほほう!と思ったのは、MAXまで明るくしてもらっても、暗いこと。
電圧が違うから?(※日本は、100V。韓国は220V。)
もちろん、客として暗さに目が慣れれば、気にはならないとは思うけど。
日本でやってる「目つぶし」的なことは、ちょっと無理っぽい。
2時前に、遅いお昼ご飯になる。
「出前」と聞いていたのだが…。
小ホールのロビーに、机と椅子が用意され、普通に食器が並んでいる。
日本の弁当箱とか、店屋物とは比べ物にならない副菜の多さ。
ご飯…食べることを、すごく大事に(当たり前に)考えてるんやね。
「残すなよ」と言われて、必死で片付ける。
あ、もちろんとてもおいしかったんだけど。
気付けば、こちらのスタッフの皆さん、食べ散らかして残している!
※こっちのご飯屋さんは、、食べきれない程のご飯を用意するのが当たり前みたいです。
それがおもてなし、というやつなんでしょうね。昔の日本の田舎もそうですが。
いつもなら、ゲネプロを始める前くらいの時間なのに、この余裕というか、空気。
照明担当のチャンフニさん、いつの間にか一緒に、ニコニコご飯を食べている。
ケンチャネヨです。
ちょっと話はそれて、字幕の話。
パワーポイントで作成された字幕を、役者の日本語台詞に合わせて字幕係がクリックし、
映写する、という方法でやりました。
今回は、ぎりぎりでしたが、うま~いこと、
「昔、日本に住んでいて、東北の大学でバイオテクノロジーかなんかの教授でいらした」
お母さんが見つかり、この字幕係をお願いしていました。
今回、その作業を目の当たりにして、やっと何が大変なのか、が解りました!
つまりですねぇ、金君が書いた「碧に咲く母の花」という作品は、日本語なわけです。
しかも、大阪弁。
これを何回も、色んな方の添削を重ねる形で「翻訳」して頂いたわけですが、
この翻訳された台本で、向こうの方に伝わるのは、話の骨子。
もちろん、日本語が解らないスタッフは、話の流れを把握した上で、
自分の作業に都合が良い「きっかけ」を探せばいい。
しかし、この字幕係のお姉さんは「字幕用にさらに短く意訳された台詞」と、
目の前の役者が話す「大阪弁の台詞」を、頭の中でリンクさせながらマウスをクリックしてゆく、
というハイレベルな事を、当日合わせでやってくれたのです!
ほんまにありがとうございました。
それから、翻訳作業でお力を貸して下さった皆様、ありがとうございました。
文化が違うと、ストレートに訳す事も難しいんですね…。
どういうことか簡単に書くと、韓国では目上の方に対して、タメ語を使うことは絶対に無いわけで。
もちろん日本社会でも、一般常識としては使いません。
でも、その場にいない目上の人のこと(例えば悪口や皮肉)を言うときや、
家庭の中で父母に向かって、遠慮ないモノの言い方をすることはあるでしょ?
まして「晴美ちゃん」は、大阪の下町育ちの設定です。
日本語で暮らす私には、その大阪弁のズケズケ感をそのまま伝えられないのが、
ちょっと残念でしたけど。
だいぶ長くなりましたね。
一息ついて、また次回。
いつもならば(日本ならば)、小屋に入る前日までびっちり稽古し、
小屋に入れば、きっかけ合わせ→ゲネプロと、
作品の世界観から離れることはないわけです。
しかし、ここは済州島。
27日の朝に、皆で「台詞合わせ」を一回やっただけ。
カルチャーショックな日々に、作品からはすっかり離れておりました。
昨晩、民樹と京枝が「済州島弁の台詞を確認」してたのは記憶にあります。
(私は寝ました…)
もちろん、台本は持って行ってたけど、読む暇なし。
私はまぁ、ほとんど日本語なんで良いんですが…
(あ、自己責任において良い、という意味です。)
柴ちゃんやジャッコの台詞は、作品の冒頭で「韓国語」。しかも済州島訛り。
緊張しないわけがない。
私個人としては、舞台の裏側までブログに書くのは、
何だか「お客様」に対して失礼な気がして、気がひけるのですが、
今回は旅行記の一端として、書こうと思います。
こいつは舞台の裏側で、こんなこと思っとるんだな、ぐらいでお楽しみ下さい。
29日の朝も、いつも通りにがっちり朝ご飯。
今日の食事当番は、チャガルチ。
「俺は韓国で一番酒に強いんだ!」と豪語するトッちゃんが、一人で朝ご飯を作ってくれている。
どっちかというと、昨晩、散々飲んでいたトッちゃんが、ちゃんと起きていることに感動。
「今日は航路の本番だ!お前たち頑張れよ!」という熱い思いが、彼を動かしているらしい。
すんごいありがたいのだが、毎朝食パン一枚と玉子ぐらいしか食べない私には多い。
(朝からキムチポッカ・白ご飯・赤いスープ、とかなり刺激的…。)
まして4日目。
皆、無表情でご飯を食べている。
韓国の人は、がっちり&きっちりご飯を食べる。
「ご飯を食べないと、パワーが出ない」と思っている。
本番前に、緊張でご飯が食べられない、とか全く理解されなさそう。
金君が済州島へ行ったら、カツオのように耳を引っ張られ、食卓に付かされるであろう。
ガツガツ食べない我々を見て、トッちゃんは悲しそう。
ごめんよ。これが異文化さ。ごちそうさま。
ワゴンで会場へ移動。
のんびりと仕込が始まる。
10:30集合なのだが…、
照明を担当してくれるはずのチャンフニさん(ハルラサンの役者さん)が来ていない。
が、それを見越して、いつもハルラサンの照明を担当しているおじさんが来て下さり、
ちゃっちゃと仕事を進めている。
字幕用の映写機もまだ到着していない。
金君が作ってくれた幕を吊って、字幕の位置を決めて、照明を調整して、
舞台が空いたらちょっとぐらい返し稽古できるかな~・・・なんて期待は外れ、全てが当日合わせ。
普段のMayではアリエマセン。
でも、こっちからスタッフを連れて行ってるわけでもないし。
イライラしても仕方ない。
照明でほほう!と思ったのは、MAXまで明るくしてもらっても、暗いこと。
電圧が違うから?(※日本は、100V。韓国は220V。)
もちろん、客として暗さに目が慣れれば、気にはならないとは思うけど。
日本でやってる「目つぶし」的なことは、ちょっと無理っぽい。
2時前に、遅いお昼ご飯になる。
「出前」と聞いていたのだが…。
小ホールのロビーに、机と椅子が用意され、普通に食器が並んでいる。
日本の弁当箱とか、店屋物とは比べ物にならない副菜の多さ。
ご飯…食べることを、すごく大事に(当たり前に)考えてるんやね。
「残すなよ」と言われて、必死で片付ける。
あ、もちろんとてもおいしかったんだけど。
気付けば、こちらのスタッフの皆さん、食べ散らかして残している!
※こっちのご飯屋さんは、、食べきれない程のご飯を用意するのが当たり前みたいです。
それがおもてなし、というやつなんでしょうね。昔の日本の田舎もそうですが。
いつもなら、ゲネプロを始める前くらいの時間なのに、この余裕というか、空気。
照明担当のチャンフニさん、いつの間にか一緒に、ニコニコご飯を食べている。
ケンチャネヨです。
ちょっと話はそれて、字幕の話。
パワーポイントで作成された字幕を、役者の日本語台詞に合わせて字幕係がクリックし、
映写する、という方法でやりました。
今回は、ぎりぎりでしたが、うま~いこと、
「昔、日本に住んでいて、東北の大学でバイオテクノロジーかなんかの教授でいらした」
お母さんが見つかり、この字幕係をお願いしていました。
今回、その作業を目の当たりにして、やっと何が大変なのか、が解りました!
つまりですねぇ、金君が書いた「碧に咲く母の花」という作品は、日本語なわけです。
しかも、大阪弁。
これを何回も、色んな方の添削を重ねる形で「翻訳」して頂いたわけですが、
この翻訳された台本で、向こうの方に伝わるのは、話の骨子。
もちろん、日本語が解らないスタッフは、話の流れを把握した上で、
自分の作業に都合が良い「きっかけ」を探せばいい。
しかし、この字幕係のお姉さんは「字幕用にさらに短く意訳された台詞」と、
目の前の役者が話す「大阪弁の台詞」を、頭の中でリンクさせながらマウスをクリックしてゆく、
というハイレベルな事を、当日合わせでやってくれたのです!
ほんまにありがとうございました。
それから、翻訳作業でお力を貸して下さった皆様、ありがとうございました。
文化が違うと、ストレートに訳す事も難しいんですね…。
どういうことか簡単に書くと、韓国では目上の方に対して、タメ語を使うことは絶対に無いわけで。
もちろん日本社会でも、一般常識としては使いません。
でも、その場にいない目上の人のこと(例えば悪口や皮肉)を言うときや、
家庭の中で父母に向かって、遠慮ないモノの言い方をすることはあるでしょ?
まして「晴美ちゃん」は、大阪の下町育ちの設定です。
日本語で暮らす私には、その大阪弁のズケズケ感をそのまま伝えられないのが、
ちょっと残念でしたけど。
だいぶ長くなりましたね。
一息ついて、また次回。
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